6月7日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】郵便局汚職事件の渦中の人物とされているジェファーソン・ブラジル労働党(PTB)党首が、ブラジル再保険院(IRB)にも賄賂を要求していたことが明らかになった。
同院の元院長がヴェージャ誌とのインタビューで語ったもので、同党首は同院に対し、毎月四〇万レアルの「上納金」を差し出すよう要求したという。同党は政府の連立与党で、同党首はその立場を利用し、いくつかの機関の人事権を有している。再保険院もその一つで、院長任命の見返りに上納金を要求したもので、党本部の家賃や雑費、交際費などに必要だとの説明がなされたと証言している。
結局、元院長は出費を拒否して解雇された。また同党首はほかの機関にも同様の要求をしていることをほのめかしたという。インタビューは録音され、ヴェージャ誌に内容が紹介された。これを受けて連警は元院長から事情聴取を開始するが、元院長は真実をありのまま述べると語っている。
これを受けてPTB党内部では困惑を隠しきれない状態で、党首の辞任はもとより、離党処分を要求する声も出ている。これに対し、ジェファーソン党首は強気の態度を崩さず、郵便局汚職議会調査委員会(CPI)が設置されて証人喚問された場合は、政府とくにジルセウ官房長官に不利な発言をするとほのめかし、政府を道連れにすることを示唆している。
同党は大統領選以来、盟友としてルーラ政権を強力にバックアップし、連立与党として君臨してきた。そのためジルセウ官房長官とのパイプが太く、再保険院のほかにエンブラツール(観光院)、連邦貯蓄銀行、原子力開発庁、ブラジル配給庁、エレトロノルテ(電力配給公社)の人事権を握っている。さらに労働省や保健省の地方行政機関にも広く関与している。このため労働者党(PT)の意図する人事に反することも多々あり、左派から反発の声も上がっている。
今回の汚職疑惑は政府にとり頭痛のタネとなったが、ルーラ大統領は五日、談話の中で、たとえ連立与党でも悪は徹底的に暴き、容赦すべきではないとした上で、ウミはしぼり出す決意を表明した。