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不法伐採で87人を逮捕=半数以上が環境保護院職員=許可書偽造、収賄で私腹肥やす=アマゾナス州

6月4日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】連警はアマゾナス州で二日、アマゾンの森林の不正取引、不法伐採およびそれにからむ汚職の容疑で犯罪組織メンバー八十七人を逮捕した。これらには外貨系を含む製材会社、書類作成会社のほか、多数の国立自然環境保護院(Ibama)の職員が含まれている。なかでも同院の森林担当役員とクアバ市の助役、マットグロッソ州自然環境保護院の院長などが首謀格とみられている。
 連警の調べによると、不法伐採は一九九〇年代から始まっており、マット・グロッソ州では四万三〇〇〇ヘクタールに及んでいる。これは公式サッカー場の五万二〇〇〇分に相当し、被害額は八億九〇〇〇万レアルと見積もられている。さらに森林再生に州政府は一億八〇〇万レアルを必要とする。二〇〇三年と〇四年の二年間にアマゾンの森林破壊は二万六〇〇〇ヘクタールを超えたが、その半数の一万二五〇〇ヘクタールはマット・グロッソ州で、年々二〇%増加している。
 連警はIbama、連邦検察庁と九カ月間に及ぶ合同捜査を経て立件し、裁判所から百二十四人の逮捕状と百六十八カ所の家宅捜査令状を取り付けて、これまでに八十七人を逮捕した。また証拠物件として二台の輸入自家用車、航空機、ボートなど時価一四万レアル相当を押収した。
 調べによると、不法伐採された木材は製材会社の倉庫に置かれ、トラックで外国向積出し港に搬送されていた。この二年間で使用されたトラックは七万六千台で、一列に並べるとリオ―ブラジリア間を埋めつくす数となる。実はこの運送許可証が組織による偽造だった。許可証用紙は造幣局発行のものだが、Ibaama職員や書類作成手続会社は特殊薬品を使い一度使ったものを消して、新たに書き直すという「リサイクル作業」を繰返していた。これら職員は公文書偽造罪で起訴される。さらにこのために四百三十一の幽霊会社が設立されていた。
 逮捕された八十七人のうち、Ibama職員が四十七人を占めた。これら職員は組織ぐるみで、偽造運送許可証を一枚につき二〇〇〇レアルで売ったり、偽の伐採許可書を発行したり、森林地帯へのトラック乗り入れ許可への見返りに賄賂を受け取っていた。なかでも助役は役職についた二年間に四億二六〇〇万レアル相当の私腹を肥していたことが明らかになった。