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〃エクスタシー〃が急増=禁断症状、連続服用そして死=サンパウロ市

6月3日(金)

 【ヴェージャ・サンパウロ誌二十五日】サンパウロ市内でエクスタシー(単に〃E〃と呼ばれる)と称する覚醒剤の常用者が急増している。これはコカインなどの麻薬と違い、幻覚症状が現われて感覚がマヒし、快楽を伴った興奮状態となる。しかし反面、薬が切れた場合の禁断症状で気力の落ち込みが激しく、そのため連続して服用することになる。これが長期に及ぶと、うつ病や神経障害および内臓疾患を起こし死に至る。
 ブラジルでは死亡者はこれまで一人のみだが、イギリスでは過去六年間に二百二人が死亡している。また国内でリハビリを受ける麻薬患者の七〇%はエクスタシー常用者だ。
 今年に入って常用が急増し、警察では五月十三日までに一万百錠を押収した。昨年一年間の押収は八千六十錠で、一昨年は四千八百二十四錠だった。サンパウロ市のディスコや若者のダンス場で飲用されるため、警察では「ダンス作戦」と名づけてこれらの場所に潜入して摘発に注力している。
 一錠四〇―六〇レアルと他の薬より高いため、常用者は十八歳から二十五歳までの中産階級以上の子弟で、九〇%が大学生だという。今年に入り百四十三人が検挙されたが、罪の意識はなく、「自分の金で飲んで何が悪い」とうそぶくのがほとんどだが、署に連行されるとおびえて泣き叫び許しを乞うという。ディスコでは一晩に百錠売りさばく売人もいることから、警察では取締りを強化している。