6月1日(水)
五月二十四、二十五両日、集中豪雨に遭ったサンパウロ市。セアザが大きな被害を受け、野菜や果物の値段が上がったとも言われる。水浸しになったスイカなどの映像を見せられると、消費者の購買意欲もそがれたかと思った。中央市場で果物を販売する青木幹旺さんによると、ここ数日売上がかなり落ち込んできているそうだ。「質の問題というより、高いと買ってくれない」と声を落とす。日系のフェイランテは、少なくない。深刻な事態に陥っているところがあるかも……。
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記念植樹はかっこうのいい事業だ。ただ、あとの手入れがたいへんらしい。放っておけば、事業は失敗と同じ。家畜やペットと同様、生き物なのだ、という言い方は当たっている。植えた木を毎日見てやるのが理想。これが、生き物に対する〃愛情〃だという。モジ郡イタペチに「花の森」を造成中の芳賀七郎さんは、森が自宅から比較的近いせいもあって「よほどのことがない限り、毎日様子を見ている」。暗に、植えた人は、毎日見なさい、と言っている。
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毎年、日本からも多くの人が訪れる開拓先没者慰霊碑。たくさんの人が参拝するだけに、その管理にかかる手間もなかなか馬鹿にならない。日本の参拝者から受ける志、言ってみれば数少ない「収入」も、現在のところ県知事など県人会を通じた参拝者に限られている。建立から三十年、とはいえ関係者が手弁当で支える状況は続きそうだ。