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CPI調査、拡大へ=政府、06年選挙への影響を憂慮

5月31日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八、二十九、三十日】郵便電信公社(ECT)汚職の調査を行う議会調査委員会(CPI)が設置されてから、過去に設置され調査が中断されていた他のCPIが調査を再開、調査は郵便局汚職にとどまらず、拡大する動きを見せ始めた。
 調査対象となっていたのは、電力会社民営化、電話会社と電信庁(Anatel)の契約、ジニス事件(ビンゴ疑惑)などで、これら調査が再開されれば、国会運営をはじめ、二〇〇六年の大統領・州知事選挙にも影響を及ぼしかねないとして、政府はこうした事態を深く憂慮している。
 各党リーダーとの合意のもと、カヴァウカンチ下院議長は電力部門CPIの今週中の調査再開を決定した。同CPIは昨年に調査を始める予定だったが、与野党の関心がなくなり、棚上げとなっていた。
 ルーラ大統領は訪日中の二十七日にサンパイオ・ポルトガル首相と会談、その折にCPIの設置が〇六年選挙の前哨戦になるが、経済政策の方針に影響することはないと伝えた。また日伯企業家合同セミナーの場でも、選挙対策として大衆の人気取りに経済政策を利用することはないと演説した。
 労働者党(PT)の下院リーダー、ロッシャ下議は「CPIが前政権と現政権、与野党間の戦いの場となれば議会運営は収拾がつかなくなる」と述べ、進歩党(PP)リーダーのジャネーネ下議は、政治的混乱がすべての経済部門で投資を遠ざけることになると、懸念を露にした。
 日本から帰国したルーラ大統領は二十九日夜、急きょ閣議を開き、CPIが政府攻撃のための野党の牙城になるのを阻止する手段について話し合った。政府は今後、CPI委員の重要ポストを確保し、調査対象をECTのみに絞り込むことで、野党のゆさぶりに対抗していく考えだ。