隣とはケンカばかりして遠い国の人々とは仲よく―と云う。今の日本と中国や韓国・北朝鮮との関係にそっくりなのであり、昔の人々は面白い見方をするものだなとつくづく思う。首相が靖国神社に参拝すると「いけません」と中韓と北朝鮮は眦を決する。小泉首相が紋付き袴を着て九段に向かうと中国の胡錦濤・国家主席には「目にしたくない動きが日本にある」と映るらしい▼昨今の日中に横たわる「溝」は深くて重い。日中サッカー試合での中国ファンの暴力沙汰や日本大使館への破壊行為もあった。日本の公使が乗っていた車を襲う非常識も。中国の原子力潜水艦が領海侵犯するの事件もあるし、日本の経済水域近くでの一方的なガス開発も穏やかではない。領土の問題もあるしと厄介千万▼そして―訪日していた呉儀副首相が、首相との会談を申し入れていたのに「急用のため」とかでさっさと帰国するのおまけまでついてしまった。中国外務省の孔泉・報道局長によると「小泉首相の靖国発言に不満」だったためと語ったそうだが、それは外交儀礼にも反する身勝手過ぎる発言というしかない▼中国は「礼の国」とされているが、近ごろはすっぱりと忘れたらしい。原潜の領海侵などについても国家からの「謝罪」は一つもない。首相の靖国参拝は戦没者を追悼し平和を願うのものである。日本の文化と伝統によるのであって他の国からとやかく云われる筋合いのものではない。中国は核兵器を持ち巨大な軍備をも誇る。が、そうした背後の力をちらつかせながらの恫喝外交は必ずや破綻する。 (遯)
05/5/26