ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 国際競争力は世界第51位=高金利と非効率な政策が足引く

国際競争力は世界第51位=高金利と非効率な政策が足引く

5月20日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】国際競争力でブラジルは今年、世界ランキングの五十一位となった。昨年は五十三位だったことから二つランクアップとなった。都市部門ではサンパウロ市が四十三位となり、昨年の四十七位から上昇した。
 この分野で世界的な権威のスイスのマネージメント・デベロップメントが毎年六十カ国を調査対象とした結果を公表。その国の経済パフォーマンス、政策の効率性、企業家の効率性、インフラ整備の四点を分析して算定している。
 ランキングのトップはアメリカで順に、香港、シンガポール、アイスランド、カナダ、フィンランド、デンマーク、スイス、オーストラリア、ルクセンブルグとなっている。六十カ国の最下位はベネズエラだった。ラテンアメリカでは、チリが十九位で、日本、イギリス、ドイツ、フランスなどのG7を上回ったのが特筆されている。アルゼンチンは昨年のブービー賞から一つ上げて五十八位となった。
 ブラジルの国際競争力はアメリカの半分以下で、資本調達コスト高と、政府の政策の非効率性が伸び悩みの原因となっている。具体的には企業に対する規制、港湾施設の不備、税金問題、国会混乱や官僚主義の横行などが挙げられている。中でも最悪なのが高率の基本金利で、経済成長にはだかる壁として受け止められている。これらを改善すれば、ランキングは四十一位に上昇するという。
 経済成長率が昨年五%を超えたことが今回のランク上昇につながったが、経済成長の観点からのみ評価するとブラジルは三十三位に位置する。
 企業家の効率性も評価が高く三十一位で、この部門では日本とドイツより上位となった。経営方法のほかに市場への対応性が評価された。このほかの潜在力として国民の生活コストの改善、貿易黒字の増加が挙げられた。逆に国内総生産(GDP)に対する国際取引の比率が低いことが課題として指摘された。
 このほか、今年の問題点として、金利の引き下げ、インフレ抑制、減税などの金融政策が挙げられている。さらに銀行業務の透明性、官僚主義の廃止なども国際競争力向上に欠かせないと指摘している。