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モデルガンなら強盗OK?=銃器所持法改正で珍現象急増

5月20日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】モデルガンを使って強盗しても、現場をおさえない限り罪にはならない。こんな不思議な法律がまかり通っている。
 モデルガンを所持していても銃器不法所持には当たらず、逮捕できない。しかし、モデルガンの製造および輸入販売は禁止されていることから、警察はそれを没収できる。たとえそれを使って強盗などの罪を犯しても、被害者の面通しや証拠立件などが十分でない限り、警察はオモチャを没収するだけで、犯罪人は釈放となる。
 以前はモデルガンであれ凶器として罪となったが、二〇〇三年の銃器所持法の改正により罪に問われないことになった。このためサンパウロ市ジャルジン区ではこの種の犯罪が急増している。第七十八警察署(ジャルジン区)のエリザベッテ・サトー署長によると、四月八日にアウグスタ通りとチエテ通りの角で、強盗を働いた三人組を逮捕したが、銃はモデルガンだった。犯人らも強盗を自供した。
 しかし、現行犯逮捕でなかったことから、裁判所は釈放を命じた。この三人組はその後一カ月の間に四回連行され、その都度、モデルガンを没収されては、また新しいのを入手して強盗に励んでいるという。
 モデルガンは精巧で素人では判別できず、警官でも夜は本物と見分けがつかないとしている。関係者は、見分けがつかないモデルガンでも突きつけられると言いなりになるしかないとして、元の法律の適用を望んでいる。