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幹細胞移植にほぼ成功=国内初、左足切断を回避

5月18日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】サンジョゼー・ド・リオプレット市の病院で十六日、血塞症状の患者に幹細胞の移植手術が行われ、成功した。日本や中国で成功例はあるが、国内では初めて。
 手術を受けたのは四十九歳の男性で、足の激痛を訴えて病院に運び込まれた。医師団が診察の結果、左足の膝から下の動脈が完全閉塞を起こして血塞症状となり、切断を余儀なくされた。このため幹細胞移植に踏み切り、患者の体内から血液を採取して六時間かけて培養、患部四十カ所に注入した。この結果、動脈は平常通り動き出した。最終結果は一カ月後の検査で判明するが、今のところ八五%成功だとしている。
 移植手術で医学が一歩前進したが、課題は治療費が高いことにある。今回の手術は医療保険が効かず、九千レアルの手術代は患者負担となった。病院側によると、培養だけで四千レアルの費用になるという。