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なぜ株式の半分を譲渡?=ポン・デ・アスーカル=同族会社の行く末を象徴

5月18日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】大手スーパー、ポン・デ・アスーカルの株主のジニス・グループへ仏系カシノ・ネットワークが資本参加するニュースは、晴天のへきれきだった。ポン・デ・アスーカルの「ブラジル生まれを誇りとする」というセリフはどうしたのか。
 ブラジル最大のスーパーは、株式の半分を譲渡した。証券取引所の審査委員会に相談も打診もない。どのような事情なのか、説明が欲しかった。今後のスーパー業界の動向についても調査の必要がある。
 この合意は、グロバリゼーションの時代における同族会社の行方を象徴している。この株譲渡取引は、二〇〇五年第1・四半期の決算で五七七〇万レアルの営業益を上げたことを発表した直後に行われた。
 ポン・デ・アスーカルが経営難にあったとは思えない。スーパー業界の薄利営業は周知の事実で、強引な売上げ競争を展開していることからもうなずける。同スーパーのお家騒動は解決済みと思われていた。
 ヴァロール紙は、株譲渡の理由を三つ挙げた。一、債務と金利負担の削減。二、融資取り付けのため。三、個人的理由。同族会社は独自の力で大型融資を取り付けるのは困難。投資資金を得るために財政強化を行ったようだ。
 遅かれ速かれ資金投下の代償として、外部からスーパー役員が入ってくる。同族会社は一歩譲り、二歩譲り消えて行く。ブラジルを含め途上国は、このような同族会社へ資金提供する資本市場が育っていない。
 途上国の資金難にあえぐ会社は、資金力にものをいわせるグロバリゼーションという怪獣の餌食になる。カシノのような世界十五カ国で活躍する外資系大企業は最新のテクノロジーを持っている。