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コラム 樹海

 晩ご飯は「ご飯一杯に焼き芋一本。それに焼き魚一切れ」になるそうだから、肥満国家の日本も哀れな暮らしに逆戻りしかねない。無粋でなる農林水産省が、こんな厳しい献立を発表しグルメ国民に警告を発したそうである。日本は今や食糧不足?に陥り、大豆や小麦に始まり牛肉も鶏・野菜や果物も外国から輸入している▼もし、これらの輸入食品がなくなったなら―どうなるか。これを計算すると、昼も芋が中心になり味噌汁は二日に一杯。肉は9日に一食になるという。何しろ日本の食糧自給律はやっと40%なのである。味噌や醤油の大豆とパンや饂飩の小麦も輸入。天麩羅蕎麦を食べても、油も醤油もエビも葱もが外国産であり、丼だけが国産という情けなさ。蕎麦の粉は国産があるけれども、これだって輸入品はいっぱいある。まあ―余っているのはコシヒカリなど米しかあるまい▼ところが―である。このコメの消費量が減っている。近ごろはパンとかピッツア大好きが増えている。その昔の日本人は、コメ無しには生きられない。戦後の食糧難の頃に「真っ白いご飯を食べたい」の夢があったしみんながコメをよく食べた。昭和37年(1962年)には、何と一人が年間に食べるコメは118・3キロ。2俵分をパクパクと胃袋に送り込んだのである。それが今や僅か61・9キロとほぼ半分に減ってしまった▼瑞穂の国が余剰米で悩むのは漫画だけれども、マグロが美味だからと畜養マグロを買いあさるような動きはいささか行き過ぎの感じもする。少し贅沢を見直し自制する心を学ぶことが大切ではないか。 (遯)

05/5/17