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映画『GAIJIN2』ついに完成=大統領訪日に合わせ上映へ東京で公式日程のひとつ

5月14日(土)

 日系女性四世代の人生を軸に移民史を描いた、山崎千津薫監督(三世)の映画『GAIJIN』二作目(二時間四分)がついに完成し、ルーラ大統領訪日に合わせて二十七日晩に東京で上映会が開かれることが十一日、関係者の話で分かった。ブラジル外務省による大統領訪日公式日程にも正式に組み込まれた。山崎監督も公式随行団の一員として訪日する予定で、同省としても、このような公式上映会は例がないとしているという。
 上映会は二十七日午後八時半から東京国際フォーラム(有楽町)で、ブラジルや映画関係者、在日ブラジル人コミュニティ代表らを招いて行われる。現在、在名古屋ブラジル総領事館からも上映を打診する話があり、調整に入っている。
 副題には「Ama me como sou」(あるがままの私を愛して)と付けられ、現在、日本語字幕版を急ピッチで制作中だ。
 二〇〇二年三月に北パラナのロンドリーナ郊外で撮影を開始した同作品は、資金不足から長いこと完成が待たれていた。すでに制作関係者ら向けにパイロット版の試写会をしていたが、今回は初めての日本での公開となる。
 山崎監督は、カンヌ国際映画祭の優秀外国映画賞を受賞した第一作目から二十数年を経て、ブラジルを代表する女性監督に成長した。映画史上初めて真正面から勝ち負け抗争に取組み、女性移住者やその娘らの視線を軸に、現代のデカセギ問題までストーリー展開に盛り込んだ野心作として一般公開が待たれている。
 山崎監督は自身のサイトに五月十二日、「日本移民百周年が近づいている。私はブラジルにおける日系文化の重要性を感じながら生活し、日々の現実をとらえ直す中で、それを映像化にする責任を強く思ってこの映画を作りました」と記している。
 一般上映に先駆けて、完成した映画を見たという主演俳優の一人、隈本吉成さん(49、東京在住)は、「凄いですよ。ブラジルという形を借りながら、世界に通用する話を作った。改めて千津薫の凄さを肌で感じました」とその感想を語った。
 多くの友人がエキストラで出演している、パラナ日伯文化連合会の上口誠一会長は、「大統領と訪日して上映するとはね。第一作目にも感動しました。ぜひみんなに見てもらいたい映画です」とロケ地となった〃地元〃ロンドリーナでも期待が高まっている。