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コラム 樹海

 四月二十九日の「みどりの日」を「昭和の日」にする改正祝日法案が参院本会議で可決され2007年から実施されることになった。もともと今の「みどりの日」は昭和天皇の誕生日であった。1989年に昭和天皇が亡くなられたときも「昭和の日」とする意見が多かったのだが、当時の社会党が反対の動きを見せたこともあり「みどりの日」になったの経緯もある▼昭和天皇は「雑草という草はないのだよ」のご発言で知られるように樹木や草々に大変詳しくお好きでもある。そういう意味で「みどりの日」はいいのだけれども国民から「昭和の日」にして欲しいの声も強かった。改正法案は「昭和の日について『激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす』」としているが、これなら誰しもが受け入れられる▼あの大東亜戦争を始め日中戦争など昭和という時代は戦いに明け暮れる日々が続く。初めての敗戦を経験し復興へと立ち上がった国民の姿は永遠に語り継ぐべきだし、まさに激動の昭和であったのは国民の記憶として末長く胸に秘めたい。終戦直後に昭和天皇が全国を訪れ国民と親しく接し激励されたことが、いかに国民を力づけたことか。この感動が祖国復興の引き金になったのは何人も否定できまい▼「みどりの日」は5月4日に移されるのだが、熟年組の一人としては「日本は祝日が多すぎないか」の懸念が頭を擡げる。もうとっくの昔にらしいが、ブラジルよりも祝日が多いそうだし、そろそろ歯止めを掛けた方がいいのでは?と思うのは余計なお節介と申すものか。   (遯)

 05/5/14