5月12日(木)
サンパウロ州プレジデンテ・プルデンテ市の刑務所で十日夕方、服役者七百八人が看守ら二十二人を人質にとり暴動を起こした。同日午後十一時半時点でも暴動は続き、気分を悪くした人質一人が解放された。服役者数人は屋根に登り家族らと連絡を取り合っている。定員超過や家族との面会の中止に対する不満のほか、服役中の首都第一コマンドのメンバーが元メンバーの暗殺を阻止されたことも暴動の理由とみられている。
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ここ数カ月の間にサンパウロ市高級住宅街のカンポ・ベーロ区で風俗営業三十五店が開業した。プログラムは一回二十レアル。自宅の玄関に放尿する者や通行人にからむ酔客が増えて付近住民は困っている。同区に住む女子大生は夜間、大学からの帰途が恐ろしいと訴えた。同区にはセックスショップも多数開店し、常連客が通行中の女子大生をからかっている。法律では、売春行為は本人に罪はないが、売春業の経営者は有罪と定められている。
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百十八年の伝統があるサンパウロ市パカエンブ―区のアラサ―墓地で、一カ月平均六件に上る墓荒らしの被害が確認された。被害は遺族からの届けがあったものだけで、遺族の多くは墓地を定期的に訪れず、墓地の管理者も見回りを行っていないことから、被害はさらに拡大する恐れがある。窃盗を防ぐため、墓の入り口を青銅やアルミから鉄製のものに交換することなどを市は勧めている。
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ブラジル人のほとんどが、老後のための年金取得準備をしていないことがHSBC銀行の調査で判明した。何らかの年金掛け金を払っている人は、四四%に過ぎない。十カ国の調査によれば、年金掛け金を払っているのは日本が三二%で、ブラジルはビリから二番目。掛け金を払わなくても、政府がくれるものと多くの人が思っている。