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ブラジル金閣寺、治安悪化=「防犯鵞鳥」眠らされ盗難=経営側強調「問題ない」

5月11日(水)

 【既報関連】イタペセリカ・ダ・セーラ市のブラジル金閣寺で、一昨年ほどから大型の錦鯉などが盗難に遭うなど治安の悪化が関係者の間で懸念されている。その勢いが、止まりそうにない。最近、防犯のために飼育していたガンソ(鵞鳥)の一群が睡眠薬を飲まされて、眠っている間に持ち去られた。昨年八月のフェスタの売上金も、その直後に奪われていたことがこのほど分かった。
 犯人グループは、近くのファベーラに住む少年たちと分かっている。警察当局に補導されてもすぐに釈放されるため、犯行を繰り返す。寺はあいかわらず、泣き寝入りの状態が続いているという。
 ダチョウの群れは、金閣寺隣りの円光寺前に放し飼いにされ、観光客の目を楽しませていた。犯人グループは、餌のパンの中に睡眠薬を混入させたらしい。
 「近所の非行少年たちが、ちょくちょく来て悪さをするんです。警察が捕まえるんですけど、すぐに警察から出る。図に乗って、犯行を繰り返す」。
 檀家の人たちの間でも、金閣寺の治安が懸念材料になっているようだ。ある男性は「えー、三月三十日にミサをした時に、ガンソはいたんですよ」と目を丸くした。
 関係者によると、昨年八月中に運営資金獲得のため、フェスタを開いた。犯人グループが話を聞きつけて、翌日に管理主任を襲い、売上金を持って逃げたという。治安悪化を恐れ、あえて公表する形になった。
 金閣寺側は非行少年の標的にされていることについて、完全に否定。「治安上の問題はない」と強調している。