5月10日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】全国十六州で営業、二二九〇万人の顧客を抱えるブラジル最大の固定電話会社テレマールは二〇〇二年以降、競争相手で現在エンブラテルが支配下に置くヴェスペールに対してスパイ活動を行っていた。
テレマールは、同社を利用する顧客がヴェスペールの〇八〇〇番(お客様センター)にかけた一日数百万件に上る通話を追跡調査していた。こうした調査は、ライバル会社に関心を持つ顧客を自社につなぎ止めるために行われていた。
調査を通じて通話時間や料金、未払い状況といった顧客の情報を入手したテレマールは、顧客を通話時間でランク分けした上で、ライバル会社に流れないよう特別割引などを電話で紹介。またヴェスペールの顧客獲得にもこうした情報を利用していた。
専門家らは、こうした活動を違法とみなし、リオ州検察庁は、会社の利益目的にヴェスペールの顧客の通信機密を保持しなかったことも理由に、テレマールを告訴する構えを見せている。
テレマールはこうした活動の違法性を否定、通信情報の内容把握は通信会社の義務で、通信回線の整備に不可欠と弁明。一方、ヴェスペール広報部は、この件については何も知らず、コメントは当面差し控えたいと発表した。