五月五日は「子どもの日」であり、子どもらの人格を重んじ、その幸福を願う祝日である。本来は「端午の節句」であり男子の健やかな成長を祝う日であった。今はあまり「端午の節句」とは言わないようだが、それでも―昔からのあの懐かしい菖蒲湯は続く。風呂に緑濃い菖蒲をたっぷりと入れ葉っぱで頭に巻いて「これでもう風邪なんかひかない」と元気いっぱい▼そんな無邪気な子どもらも、近ごろは児童虐待とかが激しくとてもうかうかなどはしていられない。若いお母さんが赤ちゃんや1、2歳の子を「泣くのをやめない」からと殴ったりもする。酷いのになると首を絞めて殺してしまう母親もいるそうだから惨いの言葉しかない。県や市などの児童相談所に寄せられた相談は03年で二万六千件と前年より12%も増えている。恐らく、実態はもっと多い筈である▼仕事もしない。学校にも通わない。就職への意欲もなくフラリ・ブラブラの「ニート族」とされる若年層が(15歳から34歳)がなんと八十五万人を数えると聞けば、驚きもする。こんな「何もしない族」や母親としての素質を欠くようなのは、まったくの例外に違いない。多くの母親は、歌謡曲の「岸壁の母」と同じ心であって我が子を慈しむ。健康で勉強したいと意気込む青年も多くいると信じる▼そんな素敵な母と子。そういう思いで子どもたちを育てないと―あまりにも情けなすぎる。こんな素晴らしいお母さんに子らが深い感謝の気持ちを捧げる「母の日」は、あす五月八日の日曜日。「お母さん、ありがとう」としっかりお伝えを―。 (遯)
05/5/7