5月6日(金)
在ブラジル原爆被爆者協会の森田隆会長(81)が今年二月下旬から二カ月間滞日し、被爆者手帳や健康管理手当ての申請が居住地で可能になるよう、尾辻秀久厚生労働相に要望書を渡すなどした。同会長が二日、帰国報告を行った。
韓国人被爆者のバイさんに約六十年ぶりに証言者が見つかり、被爆者手帳を取得できたことが大きな収穫だった。
森田会長は米国原爆被爆者協会の遠藤篤会長、韓国原爆被爆者協会の郭貴勲会長らと、二月二十八日、厚生労働省を訪れた。尾辻厚労相は「問題は前向きにとらえ、早く解決させないといけない。国としても検討している」と答えたという。
国は、健康管理手当ての申請を在外公館で受け付けるよう検討中だ。同会長は「これまでに考えられなかった進歩だと思う」と実現に向けて期待を込めた。
この後、被団協事務所や広島・長崎両県庁を訪問。在外被爆者の支援を充実してほしいと訴えた。
今年は、被爆六十年の節目になる。在ブラジル・アメリカ被爆者裁判を支援する会が、両国から一名記念式典に招待。ブラジルから、盆古原国彦さん(65)が行くことに決まった。
被爆者協会は今年、被爆体験記を集めて出版予定。森田会長と妻の綾子事務局長(80)も自分史を刊行する予定で既に脱稿した。滞日中に、グローボ局の記者ら三人が取材に訪れ、八月初旬に放映される予定だという。