5月5日(木)
日本国外務省は四月二十八日、ルーラ大統領訪日の日程が五月二十六日から二十八日までと発表した。滞在期間中は、天皇皇后両陛下に謁見し、宮中午餐にも出席。小泉首相との首脳会談では、エタノール輸出や国連安保理改革などを主な議題にするとみられる。農務大臣補佐官の山中イジドロ氏は四日、本紙の電話取材に対し、「昨年九月の共同声明後に、どのように進展したかが今回改めて発表されることになるでしょう」と語った。
ブラジリアの日本国大使館、大竹茂公使は「ブラジルの国際社会における存在感は、年々強くなってきており、無視できない重要なパートナーだという認識をもっている。大統領訪日を機に、ぜひ関係を深めたい」とし、中でも百周年に関して「極めて重要との認識がある」という。
ところが、山中補佐官は「昨年五月に農務大臣、大蔵大臣が訪日した時、百周年は日伯の両国政府が記念すべきものと発表した。だが、いまだに提案があがってこないので、ブラジリアは大変困っている」と現状説明する。
首相来伯時に発表された「日・中南米新パートナーシップ構想」をベースに、日本側では着々と準備を進めている。例えば、外務省は一月十九~二十九日まで中南米諸国の日系若手リーダー招聘し、日本の識者らを交えて意見交換会などを開いた。三月に外務省は横浜国立大学経済学部の山崎圭一教授をブラジルに派遣し、サンパウロ市など国内三都市で講演活動をした。
今のままではブラジル側からは百周年に関して今回、何も発表できない可能性さえささやかれる。
それに加え、「〇八年を単なるイベントで終わらせていいのでしょうか。今年からでも文化事業などを始め、日伯間でいろいろな行事を重ね、〇八年をピークにしなくてはならないのでは」との見方を示す。
大統領訪日という最重要行事を三週間後に控えているのに、箱物に拘るあまり、いまだ何の提案もできずにいる祭典協会に対して、「偏ったことになっていて残念。大統領が行くまでに提案していただきたい」と注文した。
日程としては二十四~二十五日が韓国で、二十六~二十八日が日本となる。大統領専用機にも数人の日系人が同乗するとの情報も流れている。
来週早々から先発隊が日本へ出発する。その中には農業専門家四人も含まれており、エタノールや牛肉輸出に関するなんらかの進展が見込まれているようだ。
「日伯の専門家が充分に検討を重ねておりプロジェクトを作成している。売るのは民間ですが、政府レベルではルールを決め、どう進展したかを共同声明で発表することになる」。さらに、「韓国に関しても、農協専門家らはエタノールの試験的採用、需要の大きい牛肉に関する技術的な問題などを話し合う」という。
愛知県内のブラジル人コミュニティーや、静岡県浜松市に立ち寄ることも検討されている。中部国際新空港(愛知県)へ大統領専用機で行くのか、もしくは新幹線なのかなど詳細は未定。
昨年九月の小泉首相来伯時に設置が決まった「日伯二十一世紀協議会」に関しては、日本側は昨年十一月の時点ですでに五人の選定を終えている。今回の大統領訪問を機に、ブラジル側メンバーも発表される予定。
〃選挙祭り〃は終わった。百周年に関してブラジル国元首に恥をかかせぬよう、祭典協会はじめ関係諸団体は心して働く必要があるようだ。