5月4日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】四月度の貿易黒字は三八億七六〇〇万ドルとなり、史上最高を記録した。これまでの最高は昨年六月の三八億一〇〇〇万ドルだった。このほか四月は輸出実績、一日平均輸出高、今年四カ月間および四月までの十二カ月間の輸出累計などで新記録を樹立した。
四月の輸出は九二億二〇〇万ドルで、一日平均四億六〇〇〇万ドルとなった。これにより今年四カ月間の貿易黒字累計は百二十一億九千四百万ドル、過去十二カ月間では三百七十七億七千万ドルに達した。
関係筋はこれを受けて、五月度の輸出は百億ドルを超すと見積もっており、年内貿易黒字は三百四十億ドルは堅持するだろうと予測している。政府は輸入が不透明なため予測の公表は控えているが、輸出は昨年並の一一二〇億ドルで推移するとみている。
中銀の分析によると輸出増加の原因は、表ではコモデティや工業原材料の国際価格の値上がりと、裏では採算ぎりぎりや赤字覚悟のいわゆる換金売りの二面があるという。裏面ではドル安で採算割れになったにもかかわらず、ドル高の時点で取り交わした長期供給契約により輸出が義務づけられていることと、輸出用の製品のため国内販売に回せずやむなく出血してでも輸出していることを挙げている。また国内需要の落ち込み傾向も輸出に拍車をかけている。
四月の輸出は前年比三九・六%の増加をみた。一次産品や工業原材料では大豆、鉄鉱口、原油が主流で前年比四九・三%増の二八億三三〇〇ドルだった。半加工品は鉄鋼、紙パルプ、鋳物などが主で、五六・六%増の一二億三九〇〇万ドル。自動車、電話器、自動車エンジンや部品などの工業製品は三〇・三%増の四九億六三〇〇万ドルだった。航空機は一七・八%減少した。
輸出の仕向地は、十一カ国で形成するラテンアメリカ共同体(LAFTA)が初めてアメリカを抜き、トップのEUに次いで二位に浮上した。
いっぽうで輸入は四月度、五三億二六〇〇万ドルで昨年同月比一五%の増加をみた。しかし一日平均では二億六六三〇万ドルで、二月の二億七六〇〇万ドル、三月の二億六八〇〇万ドルより減少しており、国内需要が落ち込んでいることを実証した。
ルーラ大統領は二日、サンパウロ州のフォルクスワーゲン工場を視察した際、同社々長からドル安の中、経済成長のために赤字で輸出しているとして、対策を講じるよう直訴を受けた。これに対し大統領は、政府は為替市場に介入する意向はないと明言した。