5月4日(水)
琉球舞踊玉城(たまぐすく)流・てだの会ブラジル支部(具志堅洋子支部長)は一日沖縄県人会館大サロンで、具志堅洋子師範と仲本末子教師の免許授与式と祝賀公演を行った。
同会ブラジル支部十周年を記念し、沖縄から会主の玉城千枝子師範を始め、舞台監督や衣装係が来伯。サン・ジョゼー・ド・リオ・プレットやカンポ・グランデの支部から集まった門下生らも含め総勢約百二十人が舞台に立ち、五時間にも及ぶ盛大な公演となった。八百人分用意した席はすべて埋まり、立ち見でも会場に入りきらないほどの盛況ぶり。関係者によると、千人ほどが来場したという。
免許授与祝賀式典では山城勇実行委員長が「話を聞くよりまずは踊りを見てください」とあいさつ。玉城千枝子会主が具志堅さん、仲本さんに免許を手渡した。これを受け、玉城会主は「ボア・タルジ」と切り出し、流れるような琉球ことばで「ウチナーの心を伝えたい。子供たちが踊りながら意味もわからずに、琉球のことばを歌うのは涙を誘います」と語った。
具志堅さんと仲本さんは「先生のバイタリティー溢れる熱意に負けずブラジル市民への普及と発展に努めたい」と謝辞を述べた。
玉城さんが師範の免許を取得したのは二年前だが、今年、同支部創立十周年にあたるため会主を迎えての授与式となった。
祝賀公演の部は、師範が勢ぞろいで演じる「かぎやで風」で幕が切られ、「今日の喜びは、何にたとえることができようか、これ以上の喜びはない」という歌意を九人で熱演し、会場の客は厳かな雰囲気に包まれた。
幼い生徒が漁師の格好をして踊る「海のチンボラー」では会場から「かわいい!」という声が飛び、手拍子も起こった。玉城師範、具志堅師範振り付けの演目を含め二十八曲が演じられ大成功を収めた。
五日にはサント・アンドレー市の主催で、同市立劇場において市の文化事業として同会ブラジル特別公演が行われる。午後八時からの二時間。続いて八日には同特別公演が午後二時からマット・グロッソ州立コンベンションセンター(カンポグランデ市)で、同市の協力で行われる。
今も師範らはサント・アンドレーで練習の毎日。沖縄県人会の与那覇朝昭事務局長は「先生方は十三日の帰国まで大忙し、ウチナーのうむい(想い)を表現するため頑張っている」と語った。
現在ブラジルには琉球舞踊の会が五つ、琴の会が二つ。筝曲興陽会が今年三十周年を迎えるなど沖縄文化はブラジルに着実に浸透してきているようだ。