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08年に全国民に電気を=大統領=再選視野に公約=労組主催パーティ断り街へ=PT執行部は悲観ムード

5月3日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】ルーラ大統領は一日、サンベルナド・ド・カンポ市のノッサ・セニョーラ・デ・ボアヴィジェン教会で「労働者の日」ミサに出席し、電気のない全国千二百万戸の家庭を二〇〇八年までに電化すると公約した。同大統領の任期は〇六年で満期となるが、再選を視野に抱負を述べたものと思われる。統一中央労組(CUT)主催のパーティに招待されたが、大統領は断って次期大統領選キャンペーンを意識して市街へ出掛けた。
 大統領にとってミサに出席した教会は二十五年前、官憲に追われて逃げ込み催涙ガスでいぶし出された追憶の場所である。社会の弱者と疎外者を代弁すると訴える司祭は、社会悪とモラル荒廃の根源である失業に関して延々と講話を述べ、底辺の人々は、竹の子の皮を剥ぐように貧困化していると政治の改善を求めた。
 続いて大統領に一席設け、ルーラ節の披露となった。〇八年までにランプで生活している全国千二百万戸の家庭に電気を引くという。会衆二千人が、大統領公約の証人だとした。電気ばかりでなく、飲料水に事欠かないよう水も供給する。会衆の中には北東部地方の水事情を熟知している北東部出身者が多くいた。
 ドン・ペドロ皇帝が百五十年前、サンフランシスコ川の水を全北東部に放流する計画を立てたが、大統領がそれを実現するという。北東部の荒野に水を流して緑の沃野に変え、千二百万戸の小農生産者組合を設立し、全員に生活の場を与えると大統領の夢を語った。
 大統領はCUT主催の労働祭パーティへの招待を断って、市民と挨拶を交わすため市街へ出た。CUTの労働祭はルーラ大統領再選をテーマとしたものだった。〇六年の次期大統領選に向けた体制づくりを、マリーニョ会長が呼びかけた。
 一方、労組フォルサ・シンジカルのパウロ・P・シウヴァ会長は、労組指導者の二期続投を困難視している。ルーラ政権は一年三カ月の間は好調であったが、これから先ボロが出るとみている。CUTの労働祭に参加した労働者党(PT)執行部や閣僚は、〇五年は大統領選挙の前年であり、見るべき経済成長を国民に示さなければならなかったが、自信のない悲観論が多かった。
 大統領の命令でCUTの労働祭に出席したジルセウ官房長官は、大統領府でプラック・ホールの異名をもらった官房室を政府の操縦室だと弁護し、多くの省庁プロジェクトが官房室で握り潰されるという噂を否定した。省案が差し止めになっているのは、財務省と予算管理省だとした。
 いつの日か大統領選への出馬を夢見ていた官房長官には最近、風向きがよくない。親友に〇六年のサンパウロ州知事選出馬を打診したようだ。すでにメルカダンテ上議やマルタ前サンパウロ市長、ジョアン・P・クーニャ前下院議長がサンパウロ州知事を狙っており、またPTがドジを踏むことになりそうだ。
 官房長官は知事出馬の噂を否定した。メルカダンテ上議が同件で大統領の内諾を得ている。それを官房長官が強引に奪う可能性は、これまでの経緯を振り返れば否定できない。