10日にサンパウロ州グアルーリョス市で、民家の屋根を突き破って、牝牛が落ちてくるという事件が発生した。
10日午後5時半ごろ、グアルーリョス市ピメンタス地区に住むアナ・ルシア・ダ・シルバ・アルメイダさん(43)は、2人の息子にテレビを消して、庭で遊ぶよう言い聞かせた後に寝室に行き、横になった。だが、目を閉じたその時…、何と、空から牝牛が降ってきた!
アルメイダさんが応接間に駆け込むと、屋根を突き破った「空飛ぶ牝牛」が、応接間の真ん中にばったり倒れていた。落下の勢いで棚が壊れ、29インチのTVは押し潰され、DVDはバラバラ。ラジオもかろうじて認識できるほど、粉々に壊れていた。
近所の人たちが何事かと駆けつけたが、角が折れ、血だらけになった雌牛は立ち上がると、人垣を破って(全く牛らしからぬことに)トイレに向かったが、狭いトイレでにっちもさっちも行かなくなり、後ろ足で便座を壊してしまった。
アルメイダさんによると、牝牛は家に落ちてくる前に家の脇にある道を走っていたという。その道は家の屋根より高いところにあり、「2人の少年が牝牛の後を追っていたというけど、まだ牝牛の持ち主は現われていない」と不満を述べた。
アルメイダさんは近所で牝牛を見たのは初めてだといい、「バイーア州内陸で見たことはあるけど、あそこでだって家の上には落ちてこないわよね」と諦め顔で笑った。
類似する事件は彼女が思うより頻発している。2011年以来、少なくとも3件似た例が記録されている。内1件はミナス・ジェライス州のカラチンガ市で起こり、男性が1人死亡している。
アルメイダさんも事態はもっと酷くなっていた可能性も認め、「牝牛が落ちてくる前に息子達を居間から出していたからまだ良かったけど」と述べている。
現場には消防と市防災局、グアルーリョス市動物原性感染症コントロールセンターの職員が呼ばれ、牝牛の救出作戦が行われたが、終わったのは当日の夜遅くだった。
紐で縛られた牝牛は同センターに運ばれ、飼い主の出現を待っているが、12日現在、飼い主は現われていない。
アルメイダさんも飼い主が現れ、弁償する事を望んでいる。
アルメイダさんはここ数日の間に聞いた事に興味を持ち、TVとDVDが戻ったら、アルゼンチン映画の「ある中国人の話」を観て、自らの経験とどれほど似ているかを確かめるつもりだという。(12日付フォーリャ紙などより)