4月30日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】アレンカール副大統領は二十八日、セヴェリーノ・カヴァウカンチ下院議長と会談し、金利政策について両者が同一路線を歩むことを確認し合った。
同議長が二十七日、通貨政策委員会(COPOM)を金利引き上げの独断専行だと批判したのに対し、副大統領が同感の意を示したことで歩み寄りを見せ、急きょ会談となったもの。また二十八日に公表されたCOPOMの議事録で、今後もインフレ対策として基本金利を引き上げる可能性があると示唆されしたことで、危機感を抱いていることも明らかにした。
副大統領によると、COPOMの決定は議長が指摘するように越権行為だという。本来ならばCOPOMの上部機関に当る通貨審議会(CMN)がインフレ予測も含む金融政策を決定し、その後でCOPOMや中銀が技術的に政策を検討、実施するのが筋だと指摘した。
さらにCMNにしろCOPOMにしろ金融専門筋でメンバーを固めているが、産業界や労働者代表も入れるべきだとの見方をしている。またルーラ大統領の「お尻発言」については、高金利を憂慮して、その元凶となっている銀行の暴利を非難したものだと擁護した。議長は会談後の記者会見で、「副大統領の金利に対する真しな態度は勇敢な戦死をほうふつとさせ、敬意に価する」と評価した。
一連の金利論争の発端となった、今月に行われた基本金利の再度引き上げについて、COPOMは議事録を公表した。これには引き上げの停止について触れないどころか、消費者物価の動向いかんではさらに引き上げの可能性が示唆されており、関係者らは失望している。
大方の予測では先月の七カ月連続引き上げで終止符が打たれるものとみられていた。その予想を裏切り、先月の年利一九・二五%から今月はさらに一九・五%へと引き上げられた。議事禄によると、今年のインフレ目標五・一%の達成は困難で、来年末にのみ四・五%以下に収まると予測している。
いっぽうで全国労組は幹部会を開き、度重なる金利引き上げに抗議し、メイレレス中銀総裁をはじめとする中銀重役らの退陣を政府に申し入れる決議を行った。また五月一日のメーデー集会でもこれをテーマとする決定を下した。