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文協会長選ドキュメント

4月30日(土)

 二月十五日 「上原体制、存続の危機」――。同日付本紙は、上原会長が続投の意志を固めた一方、上原体制に不満をもつ一部文協理事らで構成される「文協を考える会」が対抗シャッパを出す可能性もあると報じた。
 十六日 上原氏が正式に出馬を表明。
 十八日 サンタクルース病院の横田パウロ理事長が対抗シャッパを組む意向をほのめかす。
 十九日 大手有力紙フォーリャ、エスタード両紙が、ヴィラ・レオポルジーナの日伯総合センター建設計画を大きく報道。これをうけ、「日系社会の総意を固める前の発表」に対し批判が相次ぎ、「上原降ろし」の動きが本格化。
 二十六日 谷氏が出馬表明。近く選挙事務所を開く予定を本紙に明かす。
 三月四日 谷氏事務所開き。戦後移住者を中心に多くの支援者が集結する。
 九日 駆け込み会員も投票可能と発表され、有権者獲得運動に拍車が掛かる。
 十二日 上原氏が会長を務める百周年協会がレオポルジーナ案の日本語説明会を開催。一世に理解を求めるが、再び「同意」を得ることは出来なかった。
 十五日 リベルダーデ文化福祉協会の池崎博文氏が、同区内の土地七千五百六十平米の買収計画を発表、コロニアに有効活用を呼びかけ、レオポルジーナ案反対者には朗報となる。
 十九日 「候補乱立『祭り』模様」――。同日付本紙は三つ巴の争いを予想。行方を握るカギはレオポルジーナ案と書く。
 二十四日 元サンパウロ州議下本氏が文協会長選に名乗り。
 同 ニッケイパラセ・ホテルで「谷さんを文協会長にする決起大会」が開かれ、二百六十人が集う。谷氏は「勝てるんじゃないか」と手ごたえを語る。
 三十日 上原氏が会見で、レオポルジーナ案の一次凍結を明言する。
 同 下本氏が会見し、シャッパ、公約を発表。
 同 文協高等審議会は出馬を表明している三氏に対し、団結するよう要請、上原氏の続投を望む。
 三十一日 文協新規入会者が急増したのをうけ、同日付本紙は、電話での票取り合戦が激化と伝える。
 同 「文協を考える会」が態度を一転、上原氏支持を表明。
 六日 同日付本紙は、三日間にわたった上原、下本両氏の連立交渉がすれ違いに終わり、「谷氏優勢か」との見方を報じる。
 同 上原、谷、下本の三氏がシャッパを正式発表し、候補者が出揃う。
 九日 「土壇場でバタバタ」――。シャッパ、文協に公示されず。また、選管が決選投票の実施を決め、泥縄式の対応に不満募る。
 同 サンパウロ、ニッケイ両紙共催で会長候補三氏が公開討論会。
 十三日 高等審議会の植木茂彬会長が谷氏にシャッパ撤回を要請するが、双方の主張に隔たり。
 同 谷氏、必勝祈願し、ダルマに目を入れる。
 十四日 同日付本紙で、委任状の獲得合戦が目立つと報じる。三候補が邦字紙に広告を連日掲載。
 十六日 文協史上初の会員選挙が実施され、谷氏が最多得票を獲得したものの、過半数を得られず、次席の上原氏と一騎打ちへ。勝負のカギを握る下本氏と両氏の交渉が活発化。
 二十六日 定款にある「マイオリア」の解釈をめぐり、谷氏が選管を相手に訴訟を起こす。コロニアから非難の声が挙がる。
 二十八日 上原氏がレオポルジーナ案を撤回すると発表。下本氏、上原氏と連携に向け態度を軟化。
 二十九日 谷氏が二次選挙を辞退する方針を固め、事実上、会長選に幕。