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滞るタバコ規制法批准=税収、外貨獲得に多大の貢献

4月29日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】世界保健機関(WHO)が提唱したタバコ規制法に世界で百九十二カ国が賛同し、うち五十七カ国が国会で批准している。
 WHOによると、世界中で十三億人の喫煙者のうち六億五千万人がタバコの害が原因で死亡するとみられている。これにより規制法では、公共施設での喫煙禁止、タバコの値上げによる需要の減少、未成年者への販売禁止、タバコ生産者や加工業への管理規制などを骨子としたもので、各国政府が政策や罰則を設けることとしている。
 日本でも先程批准されたが、ブラジルは事情が異なる。世界有数のタバコ葉産地のブラジルは、これによる税収が六十四億五千万レアルに上り、輸出により外貨獲得に貢献している。この産業の従事者は二百万人で、規制により失業問題に発展しかねない。
 タバコ産地の南リオグランデ州選出の上下院議員は、強硬に反対する構えを見せており、パロッシ財務相も財政がからむことから、重い腰を上げようとしていない。このためWHOから届いた草案は、一年間も引き出しの中で眠っている。世界中がブラジルの動向を注目しているが、タバコ規制案の批准はかなりの時間を要するとみられている。