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長期基本施政方針を発表=2020年を視野に=与党内でも多くが実現困難視

4月26日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】ルーラ大統領は現段階の与党の立場から見ての長期基本施政方針を打ち出した。この方針は「ブラジル三世代プロジェクト」と名付けられ、二〇〇七年、二〇一五年、二〇二二年の三世代を目途に目的を達しようというもの。
 骨子はサンパウロ大学やブラジリア大学など各州の大学や調査機関の専門研究グループの識者の進言を取りまとめたもので、さらに五万人の専門家のアンケートを取って詳細を決定する意向だ。日本で小泉首相が「政治改革」という言葉を使っているが、今回の政府方針は同様の性質と受け取められる。
 しかし与党内部でも、旗頭を掲げるのは結構だとした上で、実現を困難視する向きも多い。現実に大統領選挙時に公約した連邦道路の拡張、北東部の鉄道整備、サンフランシスコ川の流域開発などが手つかずの状態となっている。また新政策として取り入れた貧困家族手当の今年末までの六十五億レアルの出所が不透明になっていること、および最低給料の倍増を約束しておきながら、二年経過した現在、一五%強しか実質的に賃上げされていないことが指摘されている。基本方針の骨子は、政治、財政、労働、社会福祉に重点を置いている。その概要は、
▼各党議員の結束と各議員の責任を明確にする。
▼司法機関の改善と権限の強化。
▼財政の見直しと労働環境の改善。
▼国家支出を現在の国内総生産(GDP)当り四〇%から二五%まで引き下げる▼ポウパンサ預金をGDPの二三%に引き上げ。
▼インフレ抑制と輸出をGDPの三%に維持する。
▼犯罪を半減させる。
▼雇用をGDPの二%に引き上げ。
▼貧富の格差を先進国並みに縮める。
▼学生の就学を最低十一年とする。また大学進学率を四〇%とする。
▼科学技術の投資をGDPの三%とする。