北米のカリフォルニア州は日本人移民が多いところで馴染みが深い。気候も温暖でジャポニカ米の栽培が盛んだし「加州米」はサンパウロにも輸入され日本の米と同じ美味さに一世移民は大喜びする。あそこは牛肉や魚もうまいらしく、市民らはもりもりとよく食べまくる。そんな結果ではあるまいが、成人の半分以上が肥満体である。太った人は社会的な地位も高いの話は昔のことで今は痩身鶴の如しが理想的な体型だし、肥満が齎すマイナスは大きい▼こんなに肥満するのは過食もさりながら「運動不足」も原因らしい。何しろ「歩くのは自宅ドアと駐車場の間だけ」と揶揄されるほどに動かない。つまり―車社会が生んだ悪という説が有力なのだが、食べ過ぎと乗用車が肥満の元凶だという。あの州の知事は豪快な演技で知られる俳優・シュワルツネーガさんである。オーストリアからの移民だが、若い頃はボデイビルの世界チャンピオンで筋肉美を誇り壮年の今も頑健さが売り物でフアンを引き付ける▼こうした肥満対策というわけでもあるまいが、エステティック・サロン(全身美容の店)が大いに繁盛しているそうだ。と、ここまでくると我が街・サンパウロもまったく同じではないかと思ってしまう。ご当地でも巨大大関の小錦ばりの若い女性が話題になったりもしたが、痩せるのは大変な努力がいるものと聞く▼何しろ200キロもある体重を60キロや70キロに減らすのだから―かなり苦しい。こちらの肥満体もシュラスコなどの過食が諸悪の根源と見たいが、あれは美味だし完全に拒否も難しいのだが―。 (遯)
05/4/26