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基本金利、年19・50%へ=連続8カ月の引き上げ=金融、産業界の予想裏切る

4月23日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】中銀は二十日、通貨政策委員会(COPOM)の決定を受けて、基本金利(SELIC)の年率を〇・二五%引き上げて一九・五〇%とすることを発表した。これにより史上で例にない連続八カ月の引き上げとなり、二〇〇三年九月以来の高率となった。連続引き上げが始まった昨年九月から三・五%の上昇をみた。
 金融筋や産業界では、先月の引き上げで終止符を打ち、八月まで現状維持でその後下げに入るとの見方をしていたため、再度の引き上げは予想外で一様に驚きを示している。全国工業連盟は驚きと失望に加え、経済成長に水をさすものだと怒りを表明している。サンパウロ州工業連盟も同様の主旨の声明文を発表した。
 金融アナリストらは最近の物価上昇気運で、中銀が目標としている今年のインフレ率五・一%の達成が困難と判断したことにより、今回の引き上げにつながったとみている。しかし一方的な金利引き上げには問題があるとして、インフレ上昇の要因となっているのは公共支出、南部地区のかんばつによる農産物の不作、公共料金の値上げだと指南している。とくに電気料金の値上げは予想を上回る高率だった。これは一般の消費者物価指数にはね返り、また産業界でのコストアップとなり、さらに製品価格にはね返りインフレ上昇につながるものだという。
 昨年九月から連続七カ月にわたり〇・五%の引き上げが行われたが今回は〇・二五%にとどまった。しかし、市場金利はわずかとはいえ、上昇する。月間の商業金利は六・〇九%(前月までは六・〇七%)、クレジットカードは一〇・一五%(一〇・一三%)、シェッケ・エスペシャルは八・二七%(八・二五%)、銀行CPCは三・五五%(三・五三)、銀行の個人融資は五・六八%(五・六六%)、金融機関の個人融資は一一・六七%(一一・六五%)となった。昨年九月からの引き上げ累計からすると物価に与えるインパクトは大きい。
 例を挙げると、八百レアルの品物を頭金なしの十二回払いの月賦で買うと金利は六・〇九%(前月は六・〇七%)、毎月の支払いは九五・八九レアル(同九五・七九レアル)、合計が千百五十・六八レアル(千百四十九・四八レアル)となり、毎月の支払いで〇・一〇レアル、合計で一・二〇レアルの値上がりとなる。