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軍人の妻ら、大統領に抗議=昇給に触れず、怒り爆発=軍記念式典会場は一時騒然

4月21日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】軍隊記念日の十九日、ブラジリアで開催された記念式典で、演説に立ったルーラ大統領に軍人たちの妻が抗議行動を展開する事態が発生した。軍人たちの妻は、昨年大統領が約束した三五%の昇給のうち、一〇%は九月に実行されたものの、残りの二五%は期限の三月になってもなしのつぶての状態だったことから、抗議となったもの。サンパウロ市では十八日、受刑者の妻たちによる大規模なデモ行為が行われたのに続き、また女性パワーがさく裂した。
 記念式典に先立ち、五十二人の新将官がプラナルト宮で大統領に謁見して祝いの言葉を受けた。その後大統領は式場で演説に立った。演説台の四百メートル前には護衛の兵隊七十人がバリケードを張ったため、参列者は遠くから見守る形となった。軍人たちの妻は昇給分の支払いを求めるプラカードや横断幕を掲げて静粛に演説に聞き入っていた。
 しかし大統領が軍隊の大義名文を述べただけで、軍隊の昇給を含む待遇問題に一切触れずに演説を終わったことで、軍人たちの妻の怒りが爆発、口々に「独裁」、「横暴」と叫んで会場は騒然となった。会場を後にしようとした大統領の車に向かって、軍人の妻協会の代表と副代表がバリケードを破って突入し、直訴を図ったが護衛に阻止された。副代表は気分が悪くなって倒れ、医師の介護を受けるハプニングも起きた。
 結局、プラナルト宮の式官長が大統領との間で仲裁に入ると約束したため騒ぎは収まった。しかし同協会は二十六日に国防省前にテントを設けて抗議行動に入ることを明らかにした。
 ブラジル軍は一六四八年グアララペス戦争と呼ばれるオランダ軍との衝突の直後に結成され、今年で三百五十七年に当る。グアララペス戦争では黒人やインディオなどの寄せ集め軍隊で勝利を収め、オランダ軍の侵入を撃退した。