4月21日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】市警の組織犯罪捜査課(Deic)は十八日、サンパウロ市中央区にある財務局本部前で、裁判所の書類を密かに持ち出し、弁護士に渡そうとしていたイタケーラとイピランガ裁判所の職員(52、44)と元職員一人(46)を贈収賄、犯罪組織構築の疑いで現行犯逮捕した。弁護士は現場に姿を見せなかった。三人は審理中の書類を係争の当事者に渡し、一件当たり一万レアルを受け取っていたとみられる。
書類の紛失により平均五年かかっていた審理はさらに一年遅れ、最悪の場合、証拠不十分で中断されていた可能性がある。持ち出された書類の数はまだ確認されておらず、余罪があるとみて警察は容疑者らを追及している。
事件は二〇〇四年十一月、別の裁判所職員が容疑者らから書類を持ち出して欲しいと持ちかけられ、発覚した。同職員は司法監査局に報告し、十二月にはDeicが捜査を開始。開始当初から電話の盗聴により、容疑者らの行動は監視されていた。
「裁判所内の書類管理は非常にずさんだ。今回の逮捕がそれを裏付けている」とブラジル弁護士会(OAB)法制委員会のマシオーニ委員長は述べた。「現在、審理書類を手にするには弁護士が申請書に記入し、弁護士会の会員証をみせるだけでいいが、会員証は偽造が可能だ。登記所から書類が消えたケースも報告されている」。