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型にはまった作文は0点=Fuvest=出題テーマの把握必要=高校や予備校の指導を批判

4月20日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十九日】全国最大規模かつ最も注目されるサンパウロ大学入学試験の業務を担当する、サンパウロ大学入試基金(Fuvest)は十八日、決まり文句に満ち、有名人の考えを引用するなどパターン化された作文を書くよう学生に指導していると、高校や予備校を非難した。
 「我々が『型に縛られた』と呼ぶ解答を書くよう、教師たちは作文のパターンを受験生に教えている」と同基金のマリア・T・F・ロッコ理事は警告する。「そうした作文では博識を披露するため、著名な文学者や思想家の名前がよく引用されるが、出題テーマからずれていれば、何の意味もない」。引用は禁じられていないが、注意深く適切に行うべきだと同理事は話す。
 昨年は十四万七千九百二十二人がサンパウロ大学を受験、二次試験に進んだのは三万千百九十五人だった。作文の配点はポルトガル語の試験の半分を占め、二次試験ではすべての受験生に作文が課せられている。作文が出題テーマからはずれたものであれば、解答は評価すらされない。同基金は昨年何人が作文で零点だったのかは発表していない。
 同基金は零点を二種類に分類している。一つは文法や構文などに誤りがある、一般的なもの。もう一つはテーマからはずれたもので、有名高校や予備校で学習した受験生に多いという。作文は二人の採点者が評価し、差が大きい場合はさらに二人が評価に加わる。
 フォーリャ紙が取材したある予備校講師は、パターン化した解答の指導を否定。と同時に、記述能力が未熟な十七歳や十八歳の受験生にそれを求めている、受験生は出題テーマに驚き、優秀な学生でもとまどってしまうと、出題範囲が広い作文試験を批判した。高校の教科書にも作文パターンが載せられる傾向があり、教師は一つのパターンを指導してしまっていることが多いという。
 ある学生は、流行歌の歌詞の批判から文を始め、または冒頭にはテーマ自体をもう一度書くべきだと指導する教師がいると話す。起承転結もよく知られた作文技術だが、様々な出題に対応できるよう教養を深めることが先決と、作文に自信のある学生は取材に答えた。