4月20日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】ピント・ロライマ州知事は十八日、政府が同州内のインジオ保護区を拡大し、インジオ以外の立ち入りを禁じた大統領令を発令したことに抗議し、同州を七日間の喪に服することを宣言した。
この法令は十九日のインジオの日を記念して同州内の百七十五万八千ヘクタールを保護区としたもので、区域を明確に線引きした上で、これまでなかば公然と行われていた米作栽培、森林伐採、金鉱発掘を全て閉め出すもの。
これに対し同知事は、保護区はセルジッペ州に相当する広さで、インジオ居住者は一万四千人しかおらず過保護だとの見解を示した。また同州の人口の一〇%は米作を家業としており、保護区には十万ヘクタールの未使用の土地が眠っているが、これを米作に解放すべきだと主張している。
同知事は十九日、ブラジリアに飛び政府へ法令撤回を求めるとともに、連邦裁に発効差し止めの訴えを起こす意向を明らかにした。同州では喪を表明する半旗がひるがえり、市民は黒い喪服で市中デモを行った。
いっぽうでルーラ大統領は、農業専門のラジオ局で十八日に行われたインタビューでこれに触れ、ブラジルは長年の歴史のなかで、貧民、黒人、インジオへの援助を怠ってきた、その借りは返していかなければならないとして今後も保護区の規制を強めていくとの姿勢を明らかにした。
連警は十八日、保護区内での農民の暴挙に備えて百六十人の警官を動員し、警備に当たっている。付近を通行する車は武器などの危険物の有無をチェックされていた。