4月20日(水)
高等審議会の植木茂彬会長が文協会員でないことが十八日、本紙の調べで分かった。同会メンバー十五人のうち、植木氏を含む六人が非会員であると判明した。植木氏はこれまで二度にわたり、谷候補に対しシャッパ撤回を要望、モラルの観点からその選挙活動を批判するなど影響力を行使してきた。定款上の問題はないとはいえ、非会員が文協、会長候補の動向を左右しているのが現状だ。
日系社会九十七年、文協五十年の歴史のなかで、激動期ともいえる今、その中核をなすのが今回の文協会長選挙だ。
停滞していた文協の求心力ともなっている選挙の主役はあくまでも会員。今回の選挙に投じられた一票一票には文協、日系社会の行く末を憂い、思う気持ちが託されている。
植木氏は、先月三十日に続き、今月十三日にも谷候補に対し、シャッパの撤回、統一を要請。高等審議会の会合内容を公表した文書でも、谷候補の選挙活動を非難、「モラルの問題」と断罪している。
その植木氏が会員ではなかったことが明らかになり、波紋を呼んでいる。ただ、定款に「高等審議会のメンバーは会員であること」の一文はない。これも、「モラルの問題」か。
本紙が文協会員名簿で確認したところ、植木氏に加え、上野アントニオ、続正剛、山崎チヅカ、鈴木妙、翁長英夫五氏も非会員だった。また、上野氏は経営するニッケイパラセホテルの法人会員でもないことが分かった。
【定款第Ⅹ章】 ―支援及び指導高等審議会 第五十一条
支援及び指導高等審議会は、文協にとって特に重要な事項について、必要と認めた場合或いは要請があったとき、理事会その他文協の運営機関に対して支援および指導を行う機関である。
第一項―この高等審議会は当会の活動分野において知識及び経験が賢著な有識者十五名以下によって構成される。その成員は定期評議員会で選任され任期は四年とする。
第二項―高等審議会は内規を設け、その運営について規定することができる。
(ブラジル日本文化協会定款より抜粋)