4月15日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】常日頃不機嫌な人、さ細な事で腹を立てる人、世の中の事に適応しない人などは、持って生まれた性格ではなく、病気であることがサンパウロ州連邦大学医学部で明らかにされた。原因は脳内のホルモンの供給バランスが崩れるもので、年代に関係なく発病するという。これを放置しておくとうつ病になり、ひいては他の病気も併発することになる。この症状はホルモンのバランスを正常にする投薬で完治できるため、心療内科医などに相談するよう同大学は勧告している。
こうした症状は年齢に関わりなく現れる。幼少期では日頃の所作と違った荒々しい動作が目立ち、小学低学年では友達の輪に入らず、なかにはさ細な事で飛びかかってなぐり合うこともある。高学年や中学生の頃は親に対する反抗期となる。いずれも体の成長にホルモンの供給が追いつかずに起こるのが原因。ほとんどの場合は成人になるに従い正常に戻る。しかし一部ではこれが尾を引いて、うつ病を引き起こす。
成人になってからは、男女比率で二対一とうつ病は女性が圧倒的に多い。これは毎月のメンスにより女性ホルモンが欠乏するのが原因とされている。この時期、過度の情緒不安定に陥る女性は、医師に相談することを勧めている。
このほか、これらの症状を訴える人は、アルコール、睡眠薬、麻薬などへの依存度が高く、健康を自らの手で害するばかりか犯罪を起こす可能性も高い。酒を飲んで他人にカラんだり暴力を振う「酒乱」は、日頃のうっぷんを晴らしているもので、度が過ぎるとやはり医師に見てもらうべきだとしている。
警告のイエローカードが出されそうな主な症状を挙げると、
▼何事にも怒りやすく、周りの人と喧嘩を始める。最も多く見られる症状。
▼何事にも興味を示さず、やる気も起きず、悲しんでいる。
▼悲観的に裏面ばかりを見る。楽観的視野を拒否するため孤立する。自殺者に多い症状。
▼集中力に欠けるため仕事がはかどらず疲れやすい。このため能力が上らず評価が下がる。
▼食欲は平均以上に旺盛。まれに睡眠不足で食欲不振となる。
▼眠りが浅いため睡眠時間は長い。日中でも睡気に襲われる。
▼他人の立場を理解せず、自己主張が強いため、他人と疎遠となる。
二十六歳の女子大生は実習で勤務したが、持前の不機嫌さと喧嘩早さから職場の嫌われ者となった。上司の勧めもあり医師に診てもらった所、軽いうつ病と診断され、ホルモン調整剤を処方されて飲んだ。一カ月後には見違えるような穏やかな言動をとるようになり、人生がバラ色に見えるようになったと述懐している。