4月14日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ゴイアス州ゴイアニア市のカトリック教会の神父三人が、二年の間に相次いで殺害されるという事件が発生した。警察ではこのうち二人が殺人犯とみているが、死亡したことで捜査は難航している。
これまでの調べによると、殺人の動機は教会資金の横領と、タブーであるはずの同性愛、不倫にからむ脅迫とみられており、教会内部のスキャンダルが明るみに出たことで、市民は一様に驚いている。
第一の被害者は二〇〇〇年四月、第二は昨年七月、第三は今月七日にそれぞれ殺害された。事件のあらましは少々ややこしくなるが、第一の被害者は教会内で不正が行われているらしいとの噂により、州教会本部から事実を突き止めるよう派遣された。
この神父は同教会に勤めていた第二の被害者が教会の資金を横領し、神父学校の生徒と同性愛にふけっている確証をつかんだ。これを知った第二の被害者は、朝食に毒物を混入し毒殺した。警察では第二の被害者の仕業とみて捜査していた。
しかし第二の被害者は昨年七月、射殺体で発見された。警察では第三の被害者が犯人と見て捜査していた。警察によると、両者は古い友人だが共に悪徳神父のため、いがみ合いとなったとみている。
推測では、第三の被害者が第二の被害者の殺人を知って脅迫したのに対し、第三の被害者の悪行や、当時も続いていた人妻との不倫をたてに逆に脅かされたため、第二の被害者は殺害された。被害者は顔面右側に銃弾二発を射ち込まれており、自家用サンタナ車が行方不明となっていることから、犯人は車内の助手席に座りながら撃ったと見られている。
第三の被害者(第二の被害者の殺人犯)は七日、不倫相手の人妻と市内のモーテルにいるところを人妻の夫に射殺された。人妻によると、夫は二カ月前から尾行し、殺害の機会を狙っていたという。第三の被害者は教会内での不正行為のほか、亡父の遺産争いで兄を撃ち警察に拘留されたことがあり、教会本部は資格をはく奪していた。教会内でのスキャンダルによる事件は、被疑者全員死亡の形で書類送検となる。