カンポス・ド・ジョルドン市を走る観光用汽車の終点近くに、大島桜がある。故細江静男医師やその関係者が、植樹したものらしい。「樹齢は約五十年」と、桜に詳しい人が珍しがっていた。
日本では樹齢数百年の桜は少なくなく、千年を超える古桜もみられる。ブラジルでは気候の関係で、寿命はせいぜい三十年だそうだ。花が咲くまでに約五年かかるので、花見が出来るのは実質二十五年くらいか。
海外の桜の話になると、ワシントンの例がよく引き合いに出される。「同市は、冬によく休眠が出来る。ひょっとしたら、日本よりも適しているかもしれない」。
移民百周年に向けて、一部で桜の植樹が盛り上がってきている。手放しで喜べない面も。母国の桜前線は今、長野県で「満開」、東北・北海道で「つぼみ」だという。
(古)
05/4/14