4月7日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】クラウジオ・フォンテレス検事総長は五日、メイレーレス中央銀行総裁の不正関与について捜査許可を最高裁へ申請した。同総裁が外国への違法送金や金融法に抵触した資金洗浄、選挙違反の疑惑を検察庁が解明するという。最高裁ではマルコ・A・メーロ判事が許可の是非について審理を行う。上院監査委員会は、総裁に対する告発の事実解明を了承した。総裁は、徹底抗戦の構えを見せている。
通貨政策の最高責任者を外国への違法送金や資金洗浄関与の疑いで取り調べるというのだ。最高裁メーロ判事の解明許可の可能性は高いという噂で、審理は八日までに行われる。検察庁の許可申請が拒絶されるのは、申請内容が粗雑か権限乱用が明らかな場合だけ。
中銀総裁は、公私いずれでも法の定めるところを忠実に歩み何の呵責もないと、検察庁の審問に応じる意向を公言した。また中銀総裁が閣僚級の特別保護を受ける暫定令は、総裁に対する告発かまびすしかった二〇〇四年に議会へ上程され承認を待っていた。
最高裁から捜査許可が出ると、連邦警察や国税庁などの政府機関が総動員して、総裁の資産を全て洗い出す。また旧パラナ銀行を舞台に起きた不正送金事件にも及び、米検察庁の機密書類を再度ひっくり返すことになる。最終的に総裁を最高裁へ告訴するか否かは検事総長が判断する。
起訴と決定した場合、中銀総裁は犯罪人として被告席に座る。裁判は最高裁で行われる。しかし、フォンテレス検事総長は任期が六月までなので、捜査に最後まで立ち会うことはできないとされる。後任の検事総長はルーラ大統領が任命する。
検事総長の総裁告発は、〇四年七月に大きく世間を騒がせた。総裁は政府の倫理委員会で事情を説明し、無罪放免のお墨付きをもらった。メイレーレス総裁を告発するに先立ち、フランシスコ・ロッペス元中銀総裁始め、元役員八人を公金横領と背任罪で起訴し、連邦地裁が厳罰に処した。このうち三人は、第一審で無罪とされていたが有罪へ逆転した。
アルトゥール・ヴィルジーリオ上議(ブラジル社会民主党=PSDB)は、疑惑解明を求める世論の圧力を受ける前に、総裁が辞任するよう進言した。同上議は、総裁の留任は上院で行われる中銀の独立権限審議の妨げになるとした。中銀が疑惑の人物によって運営されること、メイレーレス総裁が中銀の独立にとって障害そのものであると同上議が訴えた。
歴史の教訓としてジュリアス・シーザーの妻は夫に、指導者は正直らしく演出するのではなく、真実に正直であれと忠告した逸話を同上議は引用した。同上議は、上院監査委員会への総裁の証人喚問を委員に了承させた。〇四年にも喚問は了承されたが、結局喚問にはつながらなかった。
旧パラナ銀行CPI(議会調査委員会)委員長のバーロス上議(PSDB)は、証拠不十分で総裁の証人喚問が行われなかったことを思い出した。CPI保管の書類によれば、総裁はボストン銀行の頭取時代、所有する企業二社と六十四回にわたって不審な金融取引を行っていたという。