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GDP世界ランク12位へ=ポウパンサ、投資伸びる=一般家庭の所得と消費は横ばい

4月2日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】ブラジル地理統計院(IBGE)が三十一日に発表した統計によると、昨年のブラジルの国内総生産(GDP)は五・二%増加し、一兆七千六百九十億レアルに達した。これにより世界GDPランキングでは、これまでの十五位から十二位へ上昇した。
 GDP世界ランキングのトップはアメリカで十一兆七千五百七十億ドル、以下日本、ドイツ、英国、フランス、イタリア、中国、スペイン、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ブラジルの順となっている。
 ポウパンサ預金は史上最高の二三・二%増と復活の兆しを見せ、貿易黒字を含む投資総額も対GDP比十九・六%となり、一九九八年以来の高水準を記録した。しかし一般所得や家族消費が横ばいとなっており、景気回復が一般家庭に浸透していないことを如実に示している。
 GDPは昨年、前年比二千百三十億レアルの増加をみたことから、世界ランキングでインド、韓国、オランダを抜いて十二位に位置した。しかし九八年の八位を取り戻すには程遠く、関係者は二〇〇三年の〇・五%成長が足を引っ張っていると指摘している。
 ただし昨年の実質投資(貿易黒字を含まず)が一〇・九%伸び、九七年の十九・九%、九八年の一九・七%に近づいたのは曙光だとした上で、今年は二一・五%、来年は二三%に達すると期待されている。
 ポウパンサ預金はコロルプランの凍結で人気が凋落、その後も低金利で大衆離れしていた。GDP比では九四年の二一・二%をピークに、九九年には一五・四%まで落ち込んだ。その後、徐々に人気を回復し、一昨年の二〇・四%を上回って昨年は二三・二%と過去最高となった。
 この反面、一般消費は一昨年の五六・七%から昨年は五五・三%へと下げ、購買力の減少あるいは節約気運をうかがわせた。いっぽうで、〇四年のブラジル国民一人当りの平均年間所得は、前年比三・七%増加して九千七百四十三レアル(三千三百三十ドル)になったにもかかわらず、世界ランキングは七十六位で前年と変わっていない。
 このランキングは昨年九月にIMFが取りまとめたものと比較しているため、新たに四月に行われる調査でランクが下がるものとみられている。昨年で注目されたのはロシアで七十四位から六十九位に躍進している。経済危機に直面しているアルゼンチンでさえ、ブラジルより上位の七十一位に位置づけている。