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乳児虐待夫婦に無罪判決=精神鑑定の結果異常と認める=サンパウロ市

4月2日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】サンパウロ市地裁は三十一日、一歳の我が子を車にぶつけ、児童虐待と殺人未遂の罪に問われていた夫婦を精神異常と断定し、無罪判決を言い渡した。
 裁判は事件当時の精神状態が争点となり、夫婦は正常だったと検察は主張してきたが、精神鑑定の結果異常が認められ無罪となった。夫は二〇〇三年二月に逮捕されて以来、サンパウロ市タトゥアペ区の未決因拘置所に収監されていたが、一日に釈放される。ただし市内の病院に警護付きで、向う三年間治療が義務付けられた。妻は昨年保釈となったが、やはり一年間の医師通いが言い渡された。治療の過程は逐一裁判所に報告される。
 事件は〇三年二月にカンピーナス市内で発生した。車を運転中だった夫が衝突事故を起したのに腹を立て、同乗していた当時一歳の我が子を走行してきた車に投げつけた。この女児はフロントガラスを割って車内に飛び込んだ。その後夫は、六歳の姉を近くの木に頭を打ちつけて暴行した。その間、妻は何もせずに見ていた。警察は夫を児童虐待および殺人未遂で、妻をほう助罪で現行犯逮捕、世間は判決に注目していた。一歳児は十六日間入院、姉は裂傷で済み、現在は母方の祖母に引き取られている。