4月1日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】高級マンションを狙った集団強盗が多発しており、その手口も巧妙となってきているが、ピザの宅配を装った新手口がお目見得した。
サンパウロ市モルンビー地区のレアル・パルケ区で二十四日午後十一時ごろ、四人組の武装強盗団がマンションに侵入し、一室から金品を強奪した。さらに他の階で部屋に押し入ろうとしたが、隣人が気付いて警察に通報したため一味は逃亡した。
強盗は周到に計画されていた。まず白昼にピザ店の従業員だと名乗る男が訪れ、マンションの守衛に新装開店したばかりのピザ店のチラシ広告を住人に配ってほしいと頼み込み、その謝礼としてピザ一枚を無料で宅配するから賞味するようにと言って立ち去った。守衛は何の疑いも抱かず喜んで申し出を引き受けた。
しかし約束の時間までにピザは届かず、勤務交代した同僚にピザを受け取り食べても構わないが、翌日食べる自分の分を残しておいてくれと言い残し帰宅した。強盗一味は交代した守衛が話を信用したかどうか見守っていたフシがある。
午後十一時ごろ、ピザが配達されると守衛は早速門を開けた。と同時に待ち構えていた三人が侵入し守衛を人質とした。さらに買い物から戻った住人を拉致して部屋に入り、現金三百ドルと四百ユーロのほか、時価三十万レアルの貴金属類、DVDなどの電気製品、時計などを奪った。さらに最上階の部屋の扉をこじ開けようとした所を隣人が気付き、警察に通報。それを察知した一味は作業を中止して逃亡した。
警察では守衛を事情聴取し、軽はずみな行為は非難するも、犯罪に加担しているとは思えないとの見方を強めている。サンパウロ州保安局によると、この種の犯罪は急増しており、昨年来九十六人が逮捕されているが、これはほんの一部だと説明している。