JICA(国際協力機構)の「世界の笑顔プログラム」を知って、ブラジルはまだまだ途上国扱いされているのだな、とちょっぴり複雑な気持ちになった。プログラムは、JICAが、日系社会にとって有用な物品を日本国内で集めて送ってくれる、という事業だ。途上国が対象なのである▼JICA派遣で赴任して来て、日本語モデル校、およびその周辺地域社会の実情をつぶさに見たシニア、青年ボランティアらが、「何が必要なのか」をつかみとり、申請してくれるという▼すでにマリリアやモジが恩恵をこおむった。送ってもらったのは野球・柔道用具、書籍、五月人形、灯籠、着物、玩具類などであった。品物を集めてくれたのは「中学校」や「外国人支援組織」だった。現在、マリリア、モジ以外の地域からもリクエスト(要望)が出されている▼ブラジル政府は、いい意味でプライドが高く、途上国から抜け出した、という立場を取りたい。外国の援助も、それに応じて変わってくる。当然あるべき援助がなくなることもある。ただ、ブラジル側が分からないのは、他の国がどのように考えているか、である▼笑顔プログラムにおいて、地域日系社会の必要を汲み取ってくれた青年ボランティアたちは、決して先進国(地域)でないと、理解したに違いない▼プログラムでは、贈り物という好意に対して、もらっただけで済ますな、お礼の手紙なりで行動を起こせ、とある。これが交流につながるというのである。なるほど、と思う。(神)
05/3/30