3月29日(火)
サンパウロ総領事館(石田仁宏総領事)の日系社会班、西山巌領事(63、山口県出身)が任期を終え二十八日に帰国する。
二〇〇二年六月に着任して以来、日常の業務に加え、サンパウロ初の在外公館投票があり、「うまく準備が行ったことは最大の収穫でした」と振り返る。さらに、小泉首相来伯などの大仕事もこなした。
ブラジル赴任は三回目。最初の時は二十五年前だった。「あの頃は相場さん、橘さん、若林さんなどの一世の豪傑がいた。強引にコロニアを引っ張って、それがうまく行っていた。今とはその点が大きく違う」。
趣味で水彩画を描く。今回の赴任でパステル画を覚えたという。今月初旬、同総領事館内で初めての個展もひらいた。「ブラジルにはまだ描きたい場所がたくさんある。二~三年たったら、またスケッチ旅行に来たい。百周年もあるしね。どうなるのか、とても興味があるよ」。
パナマ、カナダ、イラン、ギリシャなど累計二十一年間の在外勤務をこなしてきた。「一番大変だったのはイラン。逆に一番住みやすかったのはサンパウロです」。帰国後は定年となる。「美術大学に再入学して、基礎から絵の勉強をしたい」と、第二の人生のプランを語る。
後任は沖田豊穂領事で、二十七日にカナダから着任する。