3月25日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】サンタ・カタリーナ州衛生局は二十三日、シャーガス病が確認されたのを受けて、少なくとも五万人が感染している恐れがあるとして注意を呼びかけている。カーニバル期間を含む二月から三月にかけて同州を訪れた人は要注意で、とくにサトウキビジュースを飲んだ向きは感染した可能性が高いため、最寄りの病院での検査を勧めている。シャーガス病の特徴は体の節々が痛むことと高温を発することで、風邪の症状に類似している。しかし発見が遅れると死に至る。
同州では二十三日、新たに二人が死亡した。これでシャーガス病の犠牲者は五人となった。このほか症状を訴えた四十五人を検査した結果、四十一人が真性と判断され入院した。いずれも同州ピサラ市とイタジャイ市の間の、国道BR一〇一号線沿いの海岸にあるキオスクでサトウキビジュースを飲んでいた。
シャーガス病は八六年にパラー州で発病が確認されたのみで、中西部や南部では七〇年代後半以降全く確認されておらず、撲滅されたとみられていた。通常はブラジルさしがめ虫が病気の原因となる寄生虫を媒介するが、今回の発生原因は何らつかめていない。他の動物を媒体とすることもある。過去にさしがめ虫から感染したイタチが媒体となった例がある。
サンタ・カタリーナ州では、サトウキビジュースの販売を一時禁止、六十人分の治療薬を用意するとともに、発病に備えて四万人分の医療キットを各保健所に配布した。
このほかサンパウロ州、パラナ州、ブラジリアで各一人、発病が確認された。いずれもサンタ・カタリーナ州に旅行していた。これを受けて、パラナ州とリオ・グランデ・ド・スル州はサンタ・カタリーナ州と海岸続きとなっていることから、さしがめ虫の実態が明らかになるまで、海岸地方でのサトウキビジュースの販売を禁止した。