3月25日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】パラグアイのドゥアルテ大統領は二十三日、ブラジルとの国境の町シウダー・デル・エステ市のパラナ川沿いの港と倉庫全ての封鎖を命じた。これらは密輸や麻薬取引の拠点と目されていた。さらにブラジルと同国をつなぐ通称「友情の架け橋」の税関と入国管理局の職員を、犯罪に荷担している疑いがあるとして全員解雇した。今後は海軍兵が管理する。
今回の措置は、二週間前からブラジル連警が始めた麻薬などの密輸、武器不正取引の国境取締りにパラグアイ側が追随したもの。さらにこれにともない、同市の商店街で不法に就労している、一万人とも言われるブラジル人従業員の追放も決めた。
彼らは隣接するフォス・ド・イグアス市から毎日、橋を通って通勤している。これら従業員らはサコレイロと呼ばれるブラジルからの運び屋の応対を専門としている。サコレイロと不法就労者の取締りを強化することで、橋の通過者は激減することが予想されている。商店の売り上げは一千二百万ドルも減少するとみられ、ブラジル政府は何らかの形で見返りとして援助する意向を示している。
サコレイロによる密輸はわずか二〇%で、残りはパラナ川を利用した船による大掛りなものとなっている。当局の調べによると、密輸グループは専用の倉庫や数隻の船を有しているという。今回の措置は密輸ルートを断ち切るためのもの。