3月23日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】セヴェリーノ・カヴァウカンチ下院議長は二十一日、かねての約束通り通信相を進歩党(PP)から指名するようルーラ大統領に要求した。下院議長は大統領の優柔不断にしびれを切らし、二十三日までに決定しなければ連立を離脱し、野党の自由前線党(PFL)へ合流すると最後通告を発した。連立党のブラジル民主運動党(PMDB)は、現通信相の留任にこだわり、駆け引きが過熱化している。
内閣改造は、連立与党間の駆け引きで緊迫化している。下院議長は腹心シロ・ノゲイラ下議(PP)の通信相起用を要求し、かなわなければ野党復帰を示唆する通告を伝えた。通告はテレビを通じ、全国へ報道された。下院議長の圧力には、大統領も肝に据えかねたようだ。下院議長は同夜、大統領室に呼び付けられた。
大統領室ではジルセウ官房長官とパロッシ財務相も同席し、議長は油を搾られた。発言は、思い上がりと大言壮語であると撤回するよう求められた。内閣改造の最終判断を下すのは、大統領だと諭された。
通告発言は、クリチーバ市で行われたパラナ州議会と同州商業連盟の下院議長歓迎式典の席で行われた。下院議長は、未定であるノゲイラ下議の通信相就任を公言した。大統領に知恵があるなら、同下議の通信相は間違いないと表明した。
さらに暫定令二三二号は、飽くなき連邦政府の貪欲さがもたらした所産だと批判した。税制改革では州知事らと合流して、財務相の説明会に臨むという。政府が無謀な税制を地方自治体に押し付けるなら、下議三百人を召集して大改革を行うと宣言した。
下院議長は四六年に、安物の装飾品を売り歩く行商人としてクリチーバを訪れたという。前回は赤土にまみれバスでやって来たが、今回は飛行機で来た。ルーラ大統領と下院議長を比較するなら、大統領は先に就任したから少し賢かったのだ。私に馬をくれるなら、立派に乗りこなしてみせる。これは誰にでも、いつか願いが叶うチャンスが来るということだと訴えた。
ペドロ・コレイアPP党首は、下院議長の通告発言は表現が辛らつ、かつ不適当だとたしなめた。党首は最後通告ではないと議長の発言を否定し、大統領や官房長官とは懇意な間柄であることをクリチーバ市民に釈明した。重要閣僚ポストのPPへの供与は既定の事実であり、大統領の決定待ちだと述べた。
カリェイロ上院議長も二十二日までに結論を出して欲しいと、大統領の優柔不断に焦燥している。内閣改造ではPMDBの位置付けがみえず、テメルPMDB党首を呼んで関係修復を行っているとみられる。
大統領は、下院議長の最後通告に心証を害したらしい。二十二日の内閣改造の発表はPMDBのみに止め、PP閣僚と下院議長の扱いは先送りにするようだ。PPと意志の疎通が得られないなら、PMDBのエウニシオ現通信相は留任だという。