3月23日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】社会保障省は、社会保険院(INSS)から年金や恩給を不正に受け取っているとみられる、二百から三百万人に上る受給者への支給停止を検討している。同省は第一段階として、不正受給者を把握するため同院の登録の再確認を行う予定。仮に三百万人が不正と判明した場合、百五十六億レアルを毎年節減できると同省は試算する。
専門家らによると、年金受給者の登録数は八十歳以上の高齢者の人口と一致しないという。ブラジル地理統計院(IBGE)のデータでは八十歳以上の人口は二百万人なのに、年金受給者数は三百五十万人と推定されている。マラニョン州などいくつかの州では、受給者が八十歳超の人口の二倍を超えている。ある専門家は受給者が死亡したのに支給が停止されないためとみる。
同省は六十歳以上で五年以上、年齢に関係なく十年以上年金を受給した人を登録確認の対象者としている。INSSから年金を受け取る二千三百万人のうち千二百万人の登録が再確認される見通しだ。
不正受給者と推定される三百万人のうち二十五万人は住所が把握されておらず、八十万人は生年月日が確認できていない。約三万二千人は障害を理由に受給しているのに登録が残っているため、働き、掛け金を支払っていることになっている。
同省はINSSの受給者リストと、連邦国税庁や保健省のデータと照合したい考えだが、各省庁が社会保障省にデータを提供しないため、まだ実現していない。