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Febem=従来の施設は廃止に=治安優先は効果なし=小規模施設でキメ細かな対応を=モットーは自主的社会復帰

3月23日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙七日】連日暴動と脱走で明け暮れる、州立未成年者支援財団(Febem)の更生施設への対策で州政府が手を焼いている。カトリック大学心理学科のマリア・L・テイシェイラ教授は、従来の未成年者支援システムを廃止し、心機一転新しい基本概念に基づいた新しいシステムによる新施設を設置すべきだと提唱した。現在計画中の前科による収容者の色分けシステムや関係者処罰は、問題の解決にならないと批判した。
 次は更生施設の改革についての同教授の見解だ。
 【職員千七百五十人の更迭と警備課と教育課の独立を、どう見るか】この程度の改革では効果がない。
 【改革で不足するものは】現在の改革は、単なる選手交代だ。職員は専門家であり、全員が一つの目標に向かって一致協力すること。更迭された職員が復帰するのは、上層部が迷っていることを収容者に示す。治安優先の方針を掲げるのは、収容者を過激な方向へ導き、暴動や脱走につながることを意味する。改革で足りないのは、基本概念の是正だ。
 【施設の廃止はあり得るか】その時は来る。現在のシステムを改革しても徒労。これまでに何度も改革が実施されたが、全て失敗だった。七〇年代は暴動がひんぱんに起き、当時のモントウロ知事が大部隊を送り込んだ。連邦政府も政府の専門家を問題解決のために送り込んだ。しかし、暴力の応酬は残った。九〇年代に入ると問題は深刻化した。職員らは労組を結成し、問題に労組が介入し始めた。職員の対応は労働法で計られるようになった。暴動は職員の利害を反映するようになった。
 【外国の例で参考になるものはあるか】外国の例は不要。リオ・グランデ・ド・スル州では古い制度を廃止し、新制度をつくり抜本的に改革した。もちろん六千人の施設収容者が一朝一夕にして変わるのではない。しかし、同州では収容者が確実に変わり始めた。収容者八百人の別の施設への移動で、変化が起きている。これは法制度や力の規律では不可能なことだ。同州の八百人とサンパウロ州の六千人とは勝手が違うが、サンパウロ州も部分的に始めれば目的に達する日が来る。
 【施設の大きさに問題があるか】過大な規模は問題。大きな施設ではキメ細かな対応ができず、ズサンな暴力的対応と拷問でことを始末した。収容者らは暴力的教育のせいで粗暴になっていたため、治安体制は変えられなかった。小規模の施設を段階ごとに設置、そこで模範的カリキュラムに基づいた教育を行い、収容者が段階を移動するシステムを設ける。これまでの力の屈服ではなく、自主的社会復帰をモットーとする。収容者は年齢別や犯罪歴に応じて、少数グループに分ける。収容者の社会復帰意欲と希望職種に応じて職業訓練を行う。各施設には専任の責任者と教育担当者を置き、教育心理、社会福祉、精神ケアなどを担当するスタッフとして常駐する。
 【施設を少年刑務所とする説は変わらないか】収容者への拷問をスポーツのようにしていた職員は更迭されたが、わずかながらまだ残っている。職場復帰を命じられた職員の中に、拷問の前科がある者も混じっていたようだ。新規採用の職員は、収容者の社会復帰で特別訓練を受けた者を入れ代えている。過度期には誤解や批判はあるが、拷問は排除されつつある。