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高金利は誰のため?=笑いが止まらない面々

3月23日(水)

 【エザーメ誌八三五号】高金利政策で笑いが止まらないのは誰か。誰でも銀行と思うが、高金利政策のもとで銀行よりも儲けている産業がある。自動車販売や鉄鉱石、鉄鋼、製紙、パルプ、石油精製、工作機械などの方がより儲けた。
 高金利で一番喜んでいるのは政府ではないか。金は儲からないが、時間を稼いでいる。そのおかげで難なく一千二百八十億レアルの債務決済を行い、経費削減も行った。政府は高額の債務利子を払うため、高金利政策で内外から金を集めなければならないのだ。
 経費の増加率より、基本金利の引き上げ率が高ければ、相対的に経費は縮小する。政府の放漫財政で経費を垂れ流しても金利をさらに高くすれば、心配しなくても政府経費は決済できる。これが金利を安くできない理由なのだ。
 銀行は政府の尻馬で儲けているに過ぎない。ブラジリアでは誰も公用車のガソリン消費量を知らない。ガソリンは湯水のように使う。政府歳出は手品師のシルクハットのようだ。政府は、いま金がなくても少し待てば金利が入ってくる。明日入る金利を当てにして、今日浪費する。
 政府が支払った一千二百八十億レアルで最も潤ったのは、各種ファンド。特に直接国債を購入した三万三千人の中上流層の人たちだ。ブラジルで金を儲けるのはいとも簡単。企業も汗水垂らして生産するより、国債を購入して海浜で昼寝している方が賢い。
 銀行がファンド祭りに加わってどこが悪いか。国債の三六%を銀行が購入し、年金基金が一〇%を持っている。彼らは基本金利が上がるほど、笑いが止まらないのだ。
 経済政策は両刃の剣。高金利でインフレは抑えられ、外資は入ってくる。レアル高で輸入業者はホクホク。悪い面は、設備投資を抑え産業が衰える。政府経費が増え、ローンは高く付く。消費は減退する。輸出は停滞、財政黒字と貿易黒字は落ち込む。
 プラス・マイナスの結果は悪い面が多いという抗議が圧倒的だが、政府は金利上昇を止められない。しかし、国家経済を潰さないように二、三カ月以内に金利は引き下げると予想される。それまではファンドがお勧め。年利回りが一八%だ。