健康広場
3月23日(水)
年々増加傾向にあり、近年発生率も、死亡率もガンの中では最も高くなっている乳ガン――。40~50歳代の女性に最も多いが、ほかの年齢帯でも決してあなどれない病気だ。早期発見すれば直りやすいだけでなく、日ごろの食生活なども重要となるだけに注意が必要だ。
【症状】
表の条件に覚えがある人は特に注意が必要だ。
乳ガンは乳房にできる悪性腫瘍で、初期症状としては乳頭からの分泌液に異常が見られたり、出血や痛み、乳頭萎縮、ただれが起きる。乳ガンは症状が進むとわきの下のリンパ節に転移したり、血の流れによって肺や骨など他の個所に転移を起こしやすい。
具体的に初期症状を上げてみよう。(1)触っても痛みはないが、以前なかった「しこり」がある(2)乳頭がへこんだり、異常に突出したりする。もともとは正常だったのに、突然へこんだりした場合は、すぐに専門医を受診すること(3)乳房の表面がみかんの皮のように変化。また赤いしこりやただれがある(4)わきの下にしこりがある――。このような例に思い当たる人は注意が必要だ。
また乳ガンといえば、女性の病気のイメージが付きまといがちだが、男性も罹る病気なので、意識を改めたい。
【原因】
はっきりとした原因は特定されていないが、年齢や生活習慣の狂いから卵巣から分泌される女性ホルモンの狂いが関係していると言われる。また、コレステロール値が高い場合も、乳ガンの発症率を高めるとみられている。
【生活習慣の助言】
緑黄色野菜を十分に取る▽肉の食べすぎに注意▽太りすぎに注意▽禁煙――など日常の生活での注意点は多い。また、乳ガンを経験した人は再発を防ぐためにもあっさりとした脂肪を多く含まない食事を極力選択し、緑黄色野菜やとうもろこし、果物など繊維が豊富な食べ物を取ったほうがいい。
カフェや濃いお茶、チョコレート、タバコ、酒は特に控えたい。
【早期発見には】
全てのガンに共通だが、早期発見が欠かせない。前述した生活習慣の見直しはもちろんだが、乳ガンの場合定期的な「乳房の自己検診」「X線検査」は効果的だ。実に九割近い乳ガンが患者自身の触診、概観からの発見によって判明しているというデータもある。X線検査は年に一、二度実施して欲しい。
また、乳房の自己検診については次のように行うとよい。
まず月経が来てから七日目に実施。方法としては(1)入浴前に鏡に向かい右手を上げて後頭部に。右乳房の色、形、乳頭に異常な分泌物や変化がないか調べる。続いて左も同様に(2)入浴時に乳房を温める。さらに左手を後頭部におき、右手の真ん中三本の指を合わせて乳頭を中心にゆっくりと内側から外側へ時計回りと反対に動かし、しこりなどをチェック。続いて反対側も同様に(3)最後に乳頭をつまみ分泌物を確認する(4)入浴後、枕を背中におき、真っ直ぐ寝転んだ後、左手を後頭部におき、右手で左の乳房を触り、輪を描きながら順に進める。この際、わきの下と乳房の上も調べる。反対も同様に。
月に一度、乳腺の張りが少ない月経終了時に自己検診するのは効果的だ。